東京都の介護保険制度の見直しに向けた提案(試案)へパブリックオピニオン提出ACTは東京都の2005年度の制度改定に向けた提案(試案)に対し、2003年11月25日にパブリックオピニオンを提出しました。都の提案(試案)は、基本的に私たちの目指す方向と同じで賛同できるものです。

ACTと提携するたすけあいワーカーズが、利用者の自己決定を尊重し、その人らしく住み慣れた自宅での生活が継続して送れるよう、自立を支える非営利の市 民事業を実践する中で、気がついたことを整理し28項目について提案しました。(詳細はACT事務局へお問い合わせください。)今後、厚生労働省、基礎自 治体にも提案していきます。

介護保険制度の見直しに向けた 東京都からの提案(試案)について

Ⅱ 高齢者の尊厳ある生活を支援する制度の確立に向けて
1. 高齢者が健康で生きがいをもった暮らしを継続するための支援策の構築
○被保険者に対する情報提供は行政広報、個別の説明文、民生委員等によりさまざまに行われているが、受け止め方や理解力の問題もあるので、世田谷区のよう に当該地域の在宅介護支援センター・保健師・民生委員がチームを組んでサポートが必要と思われる被保険者に対し、情報提供や説明、相談等木目細やかに働き かけ周知徹底を図ること。

○外出介助は、「市の政策による」となっていて、自治体によって大きな差がある。有料で横出しにしているところが少ないので、本人の生きがいとなる外出に対する介助サービスを提供するため基礎自治体の政策を促進するよう補助予算措置を講じること。

○ 一人暮らし及び日中独居の被保険者に医師から「精神の安定と意欲喚起を促す」と認められる場合、外出して人と会い身ぎれいにすることで生活意欲を高める美容院やサークル参加等を追加するべきと考えること。

2. 要介護状態になっても地域での生活を可能とする介護体制の整備
○ 災害弱者への緊急時の対応は1事業者のみでは困難であり、基礎自治体が取り組むよう指導して欲しいこと。又、基礎自治体を基盤としたシステムづくりと市民への周知徹底を図るように指導すること。

○泊まれるデイサービス、ミニグループホーム(宅老所)、グループリビング等新しい住まい方に関して制度化の推進を図ること。

○ 高齢になってからの住宅改修や転居は負担が大きく、また、介護負担も大きくなるため、予防事業として、住み慣れた場所に暮らし続けるために、良質なバリアフリー住宅の整備を推進すること。

3. 公正・中立で利用者本位のケアマネジメントの推進
○ 在宅介護支援センターの機能・役割・責任を明確にすること。居宅介護支援事業所の併設は望ましくないので、公正中立性が確保できるよう保険者として努めるべきこと。

○在宅生活を支える上で、介護支援専門員と医療機関との連携は不可欠なので、ITの活用、カンファレンス等で情報の収集、共有化を図るようにすること。

○ 介護支援専門員の担当件数の基準を法的に決めないと担当件数が過大となり、運営基準で求められる業務ができなくなるため、担当件数を基準化するよう要望すること。

○ 認定調査員となる介護支援専門員による利用者の抱え込みを防ぐため、認定調査員については調査専門の人員の配置が望ましいこと。現状の解決策として、担当介護支援専門員でない調査員が調査にあたるように徹底すること。

○居宅介護支援事業者が公正中立性を担保し事業の継続を図れるよう、報酬単価の見直しを国へ要望し、都として事務所の提供等検討するこ
4. 介護サービスの質を向上させるためのしくみづくり
○介護保険点数のつけ方に矛盾が多い。身体介護=大変、生活援助=楽なケアという単純な発想をやめるべきで、特にボディタッチのない「精神的安定・喚起を 促す」ケアを評価すべきこと。30分の巡回型の身体介護のみは現状のままとし、他の身体介護、生活援助については一本化を図ること。

○訪問介護事業所にとってサービス提供責任者の果たす役割が非常に大きく、報酬・事務内容ともに負担が大きい。訪問介護事業所に義務づけられているサービス提供責任者に対しての報酬を認めるよう国への要望を検討すること。

○ 通所介護を担う職員へ集団援助技術等体系的な研修を実施するよう基礎自治体へ指導すること。

○ ヘルパーの質の向上と確保のための対策として、東京都主催の訪問介護員養成講習1級課程の講習を復活すること。

○ ヘルパーの資質向上のために2~3年に一回現任研修を実施すること。

○ 在宅生活支援のため訪問介護員による医療行為の必要性が高くなることを 鑑み、軟膏の塗布、湿布等医師・訪問看護師の指示・指導によりできる医療行為の内容の整理を行いシステム化を図ること。(本会調査結果を添付)

○ 第三者評価に対して受審費用の補助の予算化を図り、評価の公開を義務づけること。また、第三者評価を生かすための自己評価システムづくりに向けたモデル評価の提示をすること。

○ 事業者が自己評価を行ない、第三者評価を積極的に受けることに対し後ろ向きの基礎自治体もあるので、東京都が積極的に基礎自治体へ働きかけ、費用補助を行 なう事により、都全体での取り組みになるよう推進して欲しいこと。合わせて、第三者評価機関の情報公開を徹底して行うこと。

○ 介護支援専門員によるケアプランをより充実させるために、医療関係者を含めての会議を行い、認定調査時の医師の診断書の開示を活用しつつ服薬や健康管理面でのアドバイスができるしくみをつくること。

○ ヘルパー(常勤者を含めて)の労働条件はきついのに社会的評価が低く保障が弱く、現在の報酬体系では不安定のため、地位の向上と社会保障を確立し安心して働けるように早急に図って欲しいこと。

○ ヘルパーの人権、安全性を脅かす被保険者への対応を、保険者として責任をもって対応するよう基礎自治体に指導して欲しいこと。

○ 在宅で介護にあたる家族への支援の必要性を重視し、頑張って困難事例を受け入れているNPOへの支援を厚くすること。

Ⅲ 現行

制度の問題点とその改善に向けて
1. 利用者の利便性と公平性の向上
○介護保険を実際に使う場合、わかりやすく説明する多様な相談窓口を地域の身近な場所に設置するよう推進を図ること。

○ 認定調査で必要と思われるサービス量と介護認定とが必ずしも同じではないので、本人の生活環境(家族状況)を配慮すること。

○ 被保険者の必要性に応じて上限枠を柔軟に運用できるよう検討すること

○ 身寄りのない一人暮らし世帯への対応として成年後見制度を使いやすくし、相談業務ができるしくみをつくる等工夫すること。

2. 多様な事業者による適正な競い合いのための環境整備
3. 保険財政の安定化

○ 痴呆性高齢者グループホームは住所地特例がなく、当該基礎自治体の財政負担が重いため、住所地特例を認めるよう検討すること。