2006年度に行なわれた介護保険の制度改定について、「ここがおかしい介護保険改定」として、利用者・家族の声と、介護支援・介護サービスを通して自立支援を行なう現場からの声を集めて、要望としてまとめました。そして、 その結果を厚生労働省に2007年4月12日に提出しました。
以下は要望した内容の項目です。 ACTはこれからも利用者の声を代弁していきます。いつでも「生の声」を聞かせてください。
厚生労働省 大臣 柳澤 伯夫殿 改定介護保険に関する要望書提出について 私どもアビリティクラブたすけあい(ACT)は、東京・世田谷区に於いて1992年に設立された会員制の在宅福祉団体です。少子高齢化社会において市民が 相互に自立し、安心して暮らすことができるまちづくりを目的に運動と事業活動を推進しています。ACTと連携して東京の30基礎自治体で、たすけあいの実 践活動をする34団体のたすけあいワーカーズと協同して地域福祉の増進に寄与することを目指しています。ACTは会員7,400人による会員組織であるの と同時に34のたすけあいワーカーズに対する中間支援組織の両面の機能を持ち活動しています。 ACTは2000年度の介護保険制度の開始から、サービス事業を併設せず公正・中立な立場でケアプランを作成するNPO・ACT指定居宅介護支援事業を立 ち上げ、現在東京の市部・区部に6箇所の居宅介護支援事業所を開設しています。また基礎自治体で活動するたすけあいワーカーズは、たすけあいによる自立援 助サービスを基本として、訪問介護事業・通所介護事業に参画するほか障害福祉サービス、子育て家庭支援など行政委託事業にも参画しています。 さて、今回の介護保険の見直しでは、制度の「持続可能性」、「明るく活力ある超高齢化社会」の構築、「社会保障の総合化」を基本視点としています。それぞ れに、サービスの適正化、介護予防の確立、軽度者の給付見直し、入所者費用負担の見直しが具体的に示され実施されていますが、被保険者、利用者、家族、そ してサービス事業者全ての現場での声は、「必要な福祉用具が利用できない」、「施設自費負担が高い」、「家族への介護負担が多くなった」、「介護報酬が低 くい」など、改定介護保険制度への失望と怒りとも言える声が寄せられています。本人・家族など利用する側、サービス提供する側の現場の意見や声を制度の見 直しに反映できることを要望します。ACTの常設会議である公的制度対策会議、たすけあいワーカーズ代表者会議では、2006年度制度改定について、「こ こがおかしい介護保険改定」として利用者・家族の視点と、介護サービスを通して自立支援を行なう現場からの視点で検討を行ない、要望をまとめました。以下 についてご検討の上改善策を講じていただくようよろしくお願いいたします。 2007年4月11日 特定非営利活動法人 |
改定介護保険に関する要望書 2007.3.30 1. 生活の意欲を喚起する「生活援助」は最も基本的な介護予防です。このような生活援助を制限しないでください。 2.利用者の生活を身近で支える介護支援専門員、訪問介護員の判断を尊重して下さい。 3.訪問介護の「身体介護」と「生活援助」の報酬の一本化を図ってください。 4.市民の力を活用して地域密着型の多機能な住まいを実現するために支援してください。 5.居宅介護支援事業所が独立した経営ができるような報酬単価の設定と位置づけの明確化、改善を急いで下さい。 6.保険者と地域包括支援センターの役割を明確にして機能を充実させて下さい。 7.基礎自治体でばらつきのある要介護認定基準を全国一律にしてください。 8.専門職として介護労働従事者が安心して利用者を支え続けられるよう報酬単価を設定して下さい。 9.介護職員基礎研修等研修体制の充実を図って下さい。 |